SNSで話題の、まるでアニメの世界に入り込んだかのような「ジブリ風」のAI画像。Googleの高性能AIであるGeminiを使えば、あなたも簡単に作れるかもしれません。
この記事では、Geminiでジブリ風の画像を作るための具体的な画像生成のやり方から、望んだ通りのイラストを生み出すプロンプトのコツまで、初心者にも分かりやすく解説します。
写真をジブリ風にするにはどうすればいいですか?という疑問に答えるのはもちろん、無料でどこまで利用できるのかという点も明らかにします。
また、最新のGemini 2.0 Flashのような技術の動向にも触れつつ、ChatGPTやXのGrokといった他のAIツールとの違いも比較。さらに、多くの人が気にする、ジブリ風のAI画像は著作権侵害ですか?という法律的な問題や、商用利用の可否についても深く掘り下げていきます。
- Geminiを使ったジブリ風画像の基本的な作り方
- 写真をイラストに変換する具体的なプロンプト
- ChatGPTやGrokなど他のAIツールとの違い
- 生成画像の著作権や商用利用に関する注意点
Geminiでジブリ風画像を作る基本とやり方
- 写真をジブリ風にするにはどうすればいいですか?
- 簡単な画像生成 やり方のステップを紹介
- 理想の絵に近づけるプロンプトのコツ
- Geminiは無料で利用できるか解説
- 最新モデルGemini 2.0 Flashの性能
写真をジブリ風にするにはどうすればいいですか?

手元にあるお気に入りの写真を、温かみのあるジブリ風のイラストに変換したい、と考える方は多いでしょう。Geminiを使えば、この願いを比較的簡単な手順で実現できる可能性があります。
基本的な流れは、Geminiのチャット画面で変換したい写真をアップロードし、続いて「この写真をジブリ風にしてください」といった指示(プロンプト)を入力するだけです。
これにより、Geminiは写真の構図や被写体の特徴を読み取り、それを基にジブリ作品特有の手描き感や柔らかな色彩を持つイラストを生成しようと試みます。
ただし、必ずしも一度で成功するとは限りません。AIは「ジブリ風」という抽象的な指示を独自の解釈で処理するため、時には意図しないイラストが生成されることもあります。例えば、人物の顔つきが元画像と異なったり、背景が想像と違う雰囲気に仕上がったりするケースです。
このような場合、プロンプトをより具体的に修正することが改善の鍵となります。
「日本の田園風景を背景に」「キャラクターの目は大きく、表情豊かに」といった追加の指示を与えることで、AIの解釈をより自分のイメージに近づけることが可能です。写真からの変換は、AIとの対話を通じて理想の一枚を創り上げていくプロセスと考えると良いかもしれません。
簡単な画像生成 やり方のステップを紹介
Geminiを使って、ゼロからオリジナルのジブリ風画像を生成する手順は非常に直感的です。特別な専門知識がなくても、以下のステップに沿って進めることで、誰でも画像生成を試すことができます。
ステップ1:Geminiにアクセスする
まず、WebブラウザからGoogle Geminiの公式サイトにアクセスします。利用にはGoogleアカウントが必要ですので、持っていない場合は事前に作成してください。Googleアカウントでログインすれば、すぐにチャット形式の画面が表示されます。
ステップ2:プロンプト(指示文)を入力する
次に、画面下部にあるテキストボックスに、どのような画像を生成したいかを具体的に記述します。これがプロンプトです。例えば、「ジブリ風、草原に立つ少女と大きな白い犬、背景には入道雲」のように、情景が目に浮かぶような言葉で指示します。
ステップ3:画像を生成・確認する
プロンプトを入力し、送信ボタンを押すと、Geminiが画像の生成を開始します。処理には数十秒から数分程度かかる場合があります。生成が完了すると、チャット画面に画像が表示されますので、イメージ通りか確認してください。
もし生成された画像がイメージと異なる場合は、落胆する必要はありません。ステップ2に戻り、プロンプトの内容を修正して再度生成を試みましょう。
「少女の服装を赤いワンピースに変更」「空の色を夕暮れ時にして」など、微調整を繰り返すことで、より精度の高い、理想に近い画像を追求できます。
理想の絵に近づけるプロンプトのコツ

AIによる画像生成において、プロンプトは設計図そのものです。特に「ジブリ風」のような特定のスタイルを再現するには、単に「ジブリ風で」と指示するだけでは不十分な場合があります。
理想のイラストに近づけるためには、プロンプトに含める情報の質と具体性が鍵となります。
具体的な要素を分解して指示する
「ジブリ風」という言葉が持つ要素を分解し、具体的に言語化してAIに伝えることが有効です。例えば、以下のような要素をプロンプトに盛り込むことが考えられます。
- スタイル:
in the style of Studio Ghibli
,Japanese animation film style
,hand-drawn anime aesthetic
- 色彩:
soft and warm color palette
,pastel colors
,beautiful landscape painting
- キャラクター:
girl with large expressive eyes
,boy in simple clothes
- 背景・情景:
lush green forest
,nostalgic Japanese countryside
,fantasy cityscape with flying ships
- 雰囲気:
peaceful and serene mood
,adventurous and magical atmosphere
英語でのプロンプトを試す
多くの画像生成AIは、学習データの大部分が英語であるため、日本語よりも英語のプロンプトの方が意図を正確に解釈しやすい傾向があります。
翻訳ツールなどを活用して、上記のような具体的な要素を英語で記述してみることで、生成される画像のクオリティが向上する可能性があります。
試行錯誤を重ねる
完璧なプロンプトは存在しません。同じプロンプトでも、AIは毎回少しずつ異なる画像を生成します。
生成された画像を見ながら、「もう少し背景をぼかしたい」「キャラクターを左に寄せてほしい」といった修正点を考え、それを次のプロンプトに反映させるという対話的なアプローチが、最終的に理想の一枚へとたどり着くための最も確実な方法と言えるでしょう。
Geminiは無料で利用できるか解説
Geminiの基本的な機能は、Googleアカウントを持っていれば誰でも無料で利用することができます。これには、テキストベースの対話機能だけでなく、画像生成機能も含まれています。そのため、特別な費用をかけずにジブリ風の画像を試しに作ってみることが可能です。
ただし、無料版にはいくつかの制限が存在します。最も大きな点が、一定期間内に生成できる画像の枚数に上限が設けられていることです。
この上限は明確に公表されていませんが、多くの画像を連続して生成しようとすると、一時的に機能が利用できなくなる場合があります。あくまで個人的な趣味の範囲で、時々画像生成を楽しむのであれば、無料版でも十分に満足できるかもしれません。
一方で、より高機能なモデルを利用したい、あるいは生成回数の制限を緩和したいユーザー向けに、有料プラン「Google One AI Premium」が提供されています。
このプランに加入すると、より高性能なAIモデル(例: Gemini Advanced)へのアクセスが可能になり、画像生成を含む各機能の利用上限が大幅に緩和されます。
頻繁に画像生成を行いたい方や、常に最新・最高の性能を求める方は有料プランを検討する価値がありますが、まずは無料版で「どのようなことができるのか」「自分の目的に合っているか」をじっくり試してみることをお勧めします。
最新モデルGemini 2.0 Flashの性能

AIの世界では常に新しい技術が開発されており、「Gemini 2.0 Flash」といった名前を聞いたことがあるかもしれません。これは、Googleが開発者向けに試験的に公開している、より高速かつ効率的な処理を目指した最新鋭のモデルの一つです。
Gemini 2.0 Flash Experimentalのようなモデルは、テキストと画像を単一のモデルでネイティブに処理する「マルチモーダルネイティブ」という特徴を持っています。これにより、従来のモデルが苦手としていた、画像内の一貫性を保ったまま視点を変更したり、キャラクターの表情やポーズを細かく調整したりといった、より高度な画像編集・生成が可能になると期待されています。
しかしながら、2025年現在、このような最新の試験的モデルは主に「Google AI Studio」などの開発者向けプラットフォームで提供されており、一般のユーザーがGeminiのチャット画面から直接利用できるわけではありません。
一般ユーザーが現在Geminiで利用している画像生成機能は、主にGoogleの高性能画像生成モデル「Imagen 2」を基盤としています。このモデルも非常に強力で、高品質なジブリ風画像の生成を十分に楽しむことができます。
将来的に、Gemini 2.0 Flashなどで培われた技術が一般向けのGeminiにも統合され、さらに表現力豊かな画像生成が可能になることが期待されます。
Geminiと他AIでジブリ風作成時の注意点
- ChatGPTでのジブリ風画像の作り方
- XのGrokでもジブリ風は作れるのか
- 生成した画像の商用利用は可能か
- ジブリ風のAI画像は著作権侵害ですか?
- まとめ:安全なGeminiジブリ風画像の楽しみ方
ジブリ風の画像を生成できるAIはGeminiだけではありません。ここでは、代表的な他のAIツールとの比較や、生成した画像を利用する上での法的な注意点について解説します。以下の比較表も参考にしてください。
特徴 | Gemini | ChatGPT (DALL-E 3) | Grok (X) |
提供元 | OpenAI | xAI | |
基本利用 | 無料 | 無料(回数制限あり) | 無料(回数制限あり) |
有料プラン | Google One AI Premium | ChatGPT Plus | X Premium / Premium+ |
画像生成モデル | Imagen 2 ベース | DALL-E 3 | 不明(独自モデル) |
特徴 | Googleサービスとの連携 | 高い対話能力と編集機能 | Xと連携、比較的緩い制限 |
商用利用 | 規約遵守の上で可能 | 規約遵守の上で可能 | 規約遵守の上で可能 |
ChatGPTでのジブリ風画像の作り方

OpenAIが開発したChatGPTも、特に有料プラン(ChatGPT Plus)で利用できる最新モデル「GPT-4o」において、非常に高性能な画像生成・編集機能を備えています。
この機能は「DALL-E 3」という画像生成モデルを基盤としており、Geminiと同様にジブリ風画像の作成が可能です。
やり方はGeminiと酷似しており、写真をアップロードして「この画像をジブリ風にしてください」と指示したり、テキストで「ジブリ風のイラストを描いて」と依頼したりすることで画像を生成できます。
ChatGPTの強みは、その卓越した対話能力にあります。生成された画像に対して、「背景の森をもっと深く、神秘的な雰囲気にして」「キャラクターの笑顔を少し控えめに」といった、より繊細で感覚的な修正指示を的確に理解し、反映させる能力に長けていると評価されています。
ただし、OpenAIは特定のアーティストのスタイルを模倣することに対して、倫理的な観点から制限を強化する傾向があります。「ジブリ風」という直接的なプロンプトが将来的に使えなくなる可能性もゼロではありません。その場合は、「日本の手描きアニメ風」といった、より一般的な表現でスタイルを指定する必要が出てくるかもしれません。
XのGrokでもジブリ風は作れるのか
イーロン・マスク氏が率いるxAI社が開発したGrokは、ソーシャルメディアプラットフォーム「X(旧Twitter)」に統合された生成AIです。Grokも画像生成機能を備えており、ジブリ風のイラストを作成することが可能です。
Grokの最大の特徴は、Xのプラットフォーム上で手軽に利用できる点です。Xのアプリやウェブサイトから直接Grokを呼び出し、チャット形式で指示するだけで画像を生成できます。
また、Grokは他のAIと比較して、現時点では特定のスタイル模倣に対する制限が比較的緩やかであると言われています。「ジブリ風」や「ディズニー風」といったプロンプトが通りやすい傾向にあるため、様々な作風を試したいユーザーにとっては魅力的な選択肢となるかもしれません。
ただし、この緩やかな制限は将来的に変更される可能性があり、また、手軽に利用できる反面、生成される画像の品質や安定性については、まだ発展途上な部分も見受けられます。
今後のアップデートによって、さらなる性能向上が期待されるAIです。
生成した画像の商用利用は可能か

GeminiやChatGPT、Grokなどで生成したジブリ風の画像を、広告や商品パッケージ、Webサイトの素材などに使いたいと考える方もいるでしょう。商用利用の可否は、各AIサービスの利用規約によって定められています。
2025年現在の主要なAIサービスの規約では、生成されたコンテンツ(アウトプット)の所有権は、基本的にそれを作成したユーザーに帰属するとされています。そして、規約の範囲内であれば商用利用も許可されています。
注意すべき点
しかし、これは無条件に何でも許可されているという意味ではありません。商用利用する際には、以下の点に細心の注意を払う必要があります。
- 元画像の権利: 写真を基に画像を生成した場合、その元写真の著作権や、写っている人物の肖像権を侵害していないか確認が必要です。他人が撮影した写真や、許可なく人物が写っている写真を無断で利用することはできません。
- 第三者の権利侵害: 生成された画像が、既存のキャラクターやロゴ、商標登録されたデザインに酷似している場合、著作権や商標権の侵害に問われるリスクがあります。
- 各社のポリシー: 各AIサービスは、生成AIの倫理的な利用に関するポリシーを定めています。ヘイトスピーチや暴力的な表現など、ポリシーに違反するコンテンツの生成や利用は禁止されています。
要するに、AIの利用規約上は商用利用が可能であっても、その利用方法が他者の権利を侵害しないように、最終的な責任はユーザー自身が負うことになります。特に「ジブリ風」のように特定の作品スタイルを参考にする場合は、トラブルを避けるためにも、商用利用には慎重な判断が求められます。
ジブリ風のAI画像は著作権侵害ですか?
AIで生成したジブリ風画像が、スタジオジブリの著作権を侵害するのではないか、という点は多くの人が抱く最大の懸念でしょう。この問題は非常にデリケートですが、現在の日本の法律や政府の見解を基に考えると、いくつかのポイントが見えてきます。
「作風」自体は著作権の保護対象ではない
日本の著作権法では、具体的な「表現」が保護の対象であり、アイデアや画風、作風といった抽象的なスタイルそのものは、原則として著作権の保護対象とはなりません。
文化庁も、AIと著作権に関する考え方の中で、「絵のタッチが似ているだけでは著作権侵害にならない」という趣旨の見解を示しています。
したがって、「ジブリ作品のような柔らかい色彩と手描き感のある画風」で描かれたオリジナルのイラストというだけでは、直ちに著作権侵害と判断される可能性は低いと考えられます。
「類似性」と「依拠性」が問題になるケース
一方で、生成された画像が、特定のジブリ作品の具体的なキャラクター(例: トトロ、キキ)や背景、シンボル的なアイテムに著しく似ている場合は、話が別です。
著作権侵害が成立するかどうかは、最終的には司法の場で個別に判断されますが、主に「類似性(元の著作物と似ているか)」と「依拠性(元の著作物を参考にして創作したか)」という2つの観点から判断されます。
AIに「トトロのように描いて」と指示して生成した画像は、依拠性が明確であり、もし類似性も高いと判断されれば、著作権侵害となるリスクが非常に高まります。
これらのことから、ジブリ風のAI画像を楽しむ際は、特定のキャラクターを模倣するのではなく、あくまで「作風」を参考にしたオリジナル作品の創作に留めることが、法的なリスクを避ける上で賢明な姿勢と言えます。
まとめ:安全なGeminiジブリ風画像の楽しみ方
この記事では、Geminiを中心に、AIを使ったジブリ風画像の生成方法から、関連するツールの比較、そして法律的な注意点まで幅広く解説しました。最後に、重要なポイントを改めてまとめます。
- Geminiを使えばジブリ風画像の生成は可能
- 基本は写真をアップロードするかテキストで指示する
- 理想の画像には具体的なプロンプトが鍵となる
- プロンプトは英語で試すと精度が上がることがある
- GeminiはGoogleアカウントがあれば無料で試せる
- 無料版には画像生成の回数制限がある
- 有料プランではより高性能なモデルが利用可能
- ChatGPTやGrokなど他のAIでもジブリ風は作れる
- ツールごとに得意なことや特徴が異なる
- 生成した画像の所有権は基本的にユーザーにある
- 利用規約の範囲内で商用利用が認められている場合が多い
- 商用利用の際は元画像の権利や著作権に注意が必要
- 「作風」の模倣自体は著作権侵害に当たらないとされる
- 特定のキャラクターに酷似した画像は著作権侵害のリスクが高い
- AI画像は法的な注意点を理解し自己責任で楽しむことが大切